本記事は、Piccolo Kyotoとお取引のある職人様やパートナー様、および新規で協業の導入をご検討中の皆様に向けて綴っています。
前回は、技術が高まるほど「難しいこと」をやりたくなる落とし穴について考えていました。 今回は、その「難しさ」がお客様にどう届くのかについて、現場での気づきをブログにしたいと思います。
不思議なことに、高度な技術ほど、お客様には伝わりにくいものです。 どれほど緻密な設計でも、どれほど難易度の高い工程でも、それが履き心地や着心地、扱いやすさとして体感できなければ、その価値は存在しないのと同じになってしまいます。
「この工程は他ではできない」 「この仕様は非常に高度だ」 そうした作り手の技術や事実は、間違いなく仕事の土台であり素晴らしいものです。 しかし、説明しなければ分からない価値や、語らなければ伝わらない凄さというのは、私たちの仕事において極めて脆いものだと感じています。
プロダクトを手にしたお客様は、工程の複雑さや難しさを評価するわけではなく、ただ純粋に日常の中での結果を感じ取ります。
何も説明しなくても、当たり前のように快適であること。 実は、この「当たり前」を成立させることこそが、最も難しく、最も高度な仕事なのだと感じています。
技術の凄さを前面に出すのではなく、その技術を背景に隠し、お客様の生活に静かに溶け込む体験を設計する。 それこそが、プロとして長く残り続けるものづくりに欠かせない視点なのだと思います。
関連記事:技術
