私が山形県の靴ファクトリー「宮城興業」のカスタムメイドシューズを取り扱い始めたのは、2012年のことでした。振り返れば、R&Dの静社長にご縁を繋いでいただいたのが、すべての始まりでした。
ここ数年は、全国のテーラー様への生地卸やオーダーシューズのOEM、企業様のユニフォーム事業といったBtoB業務の忙しさ、そして私自身の体調不良による二度の入院も重なり、なかなか宮城興業さんの靴を丁寧にご案内できずにいました。
しかし先日、東京出張で親交のあるビスポーク職人・津久井玲子さんから、「少し前に、HIROSHI ARAIの荒井弘史さんが宮城興業の新社長に就任された」というお話を伺いました。その知らせに胸が熱くなり、かつてのご縁をもう一度大切に温め直したいと、久しぶりにコンタクトを取らせていただいたのです。
思えば当時、宮城興業さんは山形県南陽市の「ふるさと納税」の返礼品として実直な靴づくりに取り組まれており、市役所の方がわざわざ私の元北山店舗まで取材に来てくださるなど、地域とも深く結びついた温かい交流がありました。
昨今、ビジネスウェアのカジュアル化が進み、軽さを売りにしたスニーカーのような革靴が増えています。しかし、宮城興業さんの靴には、大地をしっかりと捉える「心地よい重み」があります。それは、どんな場面でも持ち主を支え、自信を与えてくれる圧倒的な安定感です。
長年、現場で素材や職人さん達の技術と向き合い続けてきた私だからこそ、この靴が持つ「時代に流されない価値」の尊さが分かります。「ただの履き物ではなく、歩むべき道を共に支えてくれる確かな道具」として、職人さんは丁寧な靴づくりを続けています。
この素晴らしい日本の靴づくりを、一足でも多くのお客様の元へお届けしたいと考えております。
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