超多品種・究極の小ロットの実現。――個人のニーズを物理的に導き出すということ。

超多品種・究極の小ロット

ピッコロ京都が掲げる「超多品種・究極の小ロット」という方針は、現代の効率化されたモノづくりにおいては、極めてニッチな領域と言えるかもしれません。

通常、製造業において「多品種」と「小ロット」を同時に追求することは、コストと精度の両面で非常に難易度が高い行為だからです。しかし、私はあえてそこを主戦場としています。

■ 効率という「最大公約数」の限界

世に溢れる既製品の多くは、効率を優先し「統計上の平均」に合わせて設計されています。 万人にそこそこ合う形。それは裏を返せば、誰にとってもしっくりこない部分があり、少しの妥協を強いているということではないでしょうか。

私が向き合っているのは、お客様がその一着や一足を身につけ、あるいは手に取ることで「何を成し遂げたいか」という目的と、実際の使い方のスタイルです。

例えば財布であれば、収めるものの量や取り出す頻度。時計であれば袖口への収まり。そして靴やスーツであれば、立ち居振る舞いの癖や、その一着、一足に託す信頼感。それら一人ひとりの異なるニーズに深く応えようとすれば、導き出される答えは必然的に「超多品種」になります。

■ 物理的に無理なことをカタチにする

この設計が極めて難しいのは、一人のための「特別」を、工業製品としての高い「精度」で具現化しなければならない点にあります。

一点物のオーダーは、往々にして「感性」や「雰囲気」で語られがちです。しかし、実際に形にする段階では、極めてドライな物理法則が支配します。素材ごとの0.1ミリ単位の厚みの差、構造的な負荷の分散、経年変化による素材の収縮等。

小ロットであればあるほど、過去の蓄積データは通用せず、その都度ゼロベースで構造を組み立て直す「知的な格闘」が求められます。マニュアル化が通用しないこのプロセスこそが、設計士としての腕の見せ所であり、物理的に無理なことをカタチにするための最も困難な壁でもあります。

■ 技術という「ソロ楽器」を調和させる指揮者

Maestro Japanで語ったような、日本最高峰の職人たちの技術は、言わば「強烈な個性を放つソロ楽器」です。

それぞれが最高峰の音を奏でるからこそ、全体を統べる「設計」という指揮者がいなければ、一つのアンサンブルとして調和させることは難しいです。職人が追求する「技術的な正解」と、使い手が求める「個人のニーズ」。この二つが時に相反する中で、いかにしてその方の目的や好みに過不足なくフィットさせるか。

黒衣として両者を繋ぐ橋渡しこそが、私の仕事です。

ニッチな領域から、自由な設計を

「超多品種・究極の小ロット」を実現することは、生産者側からすれば非効率の極みです。しかし、使い手の目的や好みに寸分違わず一致する状態を導き出せた瞬間、その非効率は「唯一無二の価値」へと転換されます。

効率化の名の下に個性が削られる時代だからこそ、私は、一人ひとりの異なる「ニーズ」と向き合い、それを形にし続ける道を選びます。

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