本記事は、Piccolo Kyotoとお取引のあるテーラー様及び専門店様及び新規でオーダーシューズシステムをご検討中のオーナー様に向けたものとなります。
先日、Amazonで一冊の本を注文しました。 注文して、翌日には手元に届く。しかも「送料無料」。
受け手としては、これほどありがたいサービスはありません。家から一歩も出ず、読みたい本がすぐに手に入る。かつてなら魔法のようだと驚いたはずのことが、今では日常になっています。
でも、ふと考えてしまったんです。
この本を倉庫からピックアップし、梱包し、トラックに乗せて、渋滞をくぐり抜け、事務所の玄関まで届けてくれた「人」が確実に存在します。その人のガソリン代は? 人件費は? 本の代金だけで、一体どこからそのコストを捻出しているんだろう?
そんな違和感を感じていた時、たまたま、テレビ東京の『ガイアの夜明け』で物流の特集を目にしたのも、この問題を調べるきっかけになりました。
「送料無料」という魔法の呪文の影で、誰かが無理を重ね、誰かがそのコストを肩代わりしている。そして万が一、その焦りの中で事故が起きたとき、私たちは「配送会社の責任だ」と、一方的に責めることができるのでしょうか。
この「便利すぎる日常」の裏側にある不条理
「送料無料」という言葉は、私たちの心理に奇妙な影響を与えます。コストが「0円」と表示されることで、その裏側にある「労働の価値」まで無料であるかのように錯覚してしまうのです。
今、物流の現場はかつてない密度で動いています。 分刻みで指定される時間帯、鳴り止まない再配達の依頼。こうした極限のプレッシャーの中で、もし事故が起きてしまったら。世間は必ず「安全運転を怠った業者の責任だ」と厳しく非難します。
しかし、人をそこまで「焦らせている」正体は何なのか?「安くて早くて完璧」を求める、消費者の過剰な期待が、現場をギリギリまで追い詰めている側面はないでしょうか。事故を「業者の責任」と切り捨てる前に、その背景にある「無理な仕組み」に目を向ける必要があると思いました。
ただ、今の物流が「無理」をしているからこそ、日本には世界でも類を見ないほどの「伸びしろ」が眠っています。自動車、飛行機、そして船。これらのインフラが今、テクノロジーによって劇的に進化しようとしています。
- 【自動車】自動運転と自動物流道路:ドライバーの負担を減らす「自動運転トラック」や、道路の真ん中に荷物専用のレーンを作る「自動物流道路」の構想。これらが実現すれば、人が無理をして運ぶ時代は終わります。
- 【飛行機】空を駆けるドローン:渋滞のない空をドローンが飛び交い、離島や山間部だけでなく、都市部のラストワンマイルを支える。空は物流のメイン通りへと変わろうとしています。
- 【船】自動運航とモーダルシフト:大量の荷物を低コストで運べる「船」が、AIによる自動運航で再定義されています。トラックから船への切り替えは、環境負荷とドライバー不足を同時に解決する鍵です。
日本は課題先進国だからこそ、それを解決するための技術がどこよりも早く育つ土壌があります。物流は今、単なる「運び屋」から、国家を支える「最先端の成長産業」へと脱皮しようとしているようです。
このように、未来のテクノロジーが解決してくれることも多いと思いますが、今この瞬間も荷物を運んでくれている「人」への敬意を忘れてはいけないなとつくづく思います。
- 「1回で受け取る」(日時指定や置き配の活用)
- 「急がない」という心の余裕(すべてを即日配送にしない)
- 「ありがとう」(届けてくれた人への一言)
今回、物流業界について調べてみたことで、次にチャイムが鳴ったとき、箱の向こう側にいる人の顔を少しだけ想像して、感謝とともに受け取ってみたいと改めて感じています。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」なんてキラキラした言葉が、いかに浮いて聞こえるか。
「タブレット持たせて効率化?」「AIで最適ルート?」「そんなこと言う前に、この荷物の量と、路駐もできない道路状況と、再配達の山をどうにかしてくれ!」という配達員さんの怒号が聞こえてきそうですけどね。
