自社ブランドを小さく始める「オーダーシューズ OEM」。小ロット・在庫リスクゼロの現実的な作り方

自社ブランドの靴を作りたい。 そう考えたとき、多くの方が最初に直面するのは、理想よりも現実です。

靴 OEM」や「オーダーシューズ OEM」で検索すると、多くの工場が出てきますが、そこで突きつけられるのは厳しい条件ばかりです。

最低ロットはどのくらいか。 在庫はどれだけ抱えることになるのか。 売れなかった場合、その責任は誰が負うのか。

靴という商品は、夢のある反面、 非常にシビアな判断を要求される商材でもあります。 だからこそ、ここでは華やかな成功談ではなく、 オーダーシューズの仕組みを活用した、現実的に続けられる靴の作り方について書いてみたいと思います。

OEM と ODM の違いについて

まずは基礎知識として、よく使われる用語を整理します。 専門的な言葉よりも、「料理」に例えるとイメージしやすいかと思います。

1. OEM = 「レシピ持ち込み(完全オーダー)」 お客様(テーラー・アパレル様)が、味付け・具材・盛り付けまでの「レシピ(設計図)」を全て決め、ピッコロ京都がその通りに調理する方法。 自由度は高いですが、レシピを作る高度な知識が必要です。

2. ODM = 「シェフの定番メニュー(ブランド別注)」 ピッコロ京都がすでに持っている「美味しいと証明された料理(木型・仕様)」の中から選び、お客様のブランド名の旗を立てて提供する方法。 味(品質)が保証されているため、最もリスクが低い始め方です。

実際の現場では

教科書的には上記のように区別されますが、実際の現場では境界が曖昧です。 アパレル業界では、これらをまとめて「OEM」と呼ぶことが多いかなと感じています。なので、このブログでも広い意味での「オーダーシューズ OEM」としてお話しさせて頂ければと思っています。

靴は、作る前の判断で結果が決まります

靴にはサイズがあります。 木型があり、アッパーのデザインがあり、用途があります。

スーツやコートと違い、 「あとから何とかする」が効きにくい商品です。

どれだけ素材が良くても、 どれだけ雰囲気が良くても、 合わない靴は存在します。

つまり靴は、 作った後ではなく、作る前の判断でほぼ結果が決まる商品だということです。 一般的なOEMで失敗しやすいのは、この「判断」を曖昧にしたまま量産してしまう点にあります。

小さく始めるために、まず削る

自社ブランドを小さく始めるために、 私は、まず「何をやるか」よりも、 「何をやらないか」を明確にします。

・型数を増やさない ・色展開を欲張らない ・流行を前提に設計しない ・「売れそう」という感覚に頼りすぎない

選択肢を増やすことは、一見すると親切ですが、 判断を難しくし、結果として失敗の確率を高めることもあります。

小さく始めるとは、 設計段階で迷いを減らすことだと考えています。

モデルを絞るという選択

モデル数を絞ることで、 木型や仕様、用途の説明に集中し、 判断の精度を高めている例です。

▲ローファー1型のみを扱うオーダーシューズの展開

▲外羽根Uチップだけに特化するオーダーシューズの展開

▲ダブルモンクだけにして、尾錠は、シルバーとゴールドを選択してもらうオーダーシューズの展開

といった形で、 意図的に選択肢を限定している店舗もあります。

形を限定することは、不親切なのではなく、 お客様に判断を誤らせないための設計でもあります。 Maestro Japanのオーダーシューズ OEMシステムは、こうした「特化型」の展開にも非常に適しています。

現実的な靴の作り方

私たちが行っているOEMの手法は、 特別な製法や派手な仕組みではありません。

・木型は限定する ・製法や仕様は説明できる範囲に留める ・用途と制限条件を先に明確にする

そして、最も大切にしている判断基準が、次の点です。

受注をいただく前の段階で、 仕様・用途・制限条件について合意が取れていない靴は作りません。

受注が入ってから考えるのではなく、 作ってよい靴かどうかの判断を、受注前に終わらせる。

この順番を守ることで、 無理な仕様変更や、 後から違和感が残る買い物を減らすことができます。

小ロット・在庫リスクゼロという考え方

小ロットで作ること、 在庫を持たないことは、 コストや経営効率の話として語られがちです。

しかし、私は、それ以前に「判断の責任」をどう扱うかの問題だと考えています。

作り手の都合で数を作らない。 売り手の都合で話を進めない。 判断を曖昧なまま、お客様に委ねない。

その結果として、 一足から作れるオーダーシューズのインフラを応用し、 小ロットになり、在庫を持たない形に落ち着いているだけです。

お客様に靴を提案するためには、 サイズを確認する「フィッティングゲージ」や、 革の質感を伝える「サンプルシューズ」といった、 最低限の「商売道具(インフラ)」は必要になります。

これらは、売れ残るリスクがある「商品在庫」ではなく、 お店を開けるための「設備投資」です。

なぜなら、実体のない提案は、 結局のところお客様に対する「不誠実」に繋がると考えているからです。

小さく始めて、長く続ける。 この考え方は、かなり地味ですが、 私はこのやり方が一番“お客様に失礼がない”と考えています。

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