本記事は、Piccolo Kyotoとお取引のある職人様やパートナー様、および新規で協業の導入をご検討中の皆様に向けて綴っています。
今、世界は大変なことになっています。 海の向こうで続く戦争。出口の見えない紛争。 それらは遠い国の出来事ではなく、私たちの生活に「物価高」や「エネルギー危機」という冷徹な現実として突きつけられています。
その象徴が、ニュースで目にするガソリンスタンドの長蛇の列です。
動き出したのは「価格」ではなく「恐怖」
「明日から値上がりします」 その一言で、多くの人が車を走らせ、数十分の待ち時間を惜しまずに給油を待ちます。
明日も同じ価格かもしれない。まだ在庫はあるかもしれない。 それでも「上がる前に入れておこう」と人々を突き動かすのは、数円の節約という理性ではありません。
世界情勢が不安定な今、私たちの心にあるのは「明日、当たり前にあるはずのものが手に入らなくなるかもしれない」という本能的な恐怖なんじゃないのかなと思っています。ここで動いているのは価格ではなく、私たちの「心理」そのものです。
ロレックスやバーキンが「即決」される構造
この「今買わないと、もう無いかもしれない」という心理は、一見対極にあるはずの高級ブランドの世界でも同じように働いています。
- ロレックスのスポーツモデル
- エルメスのバーキン
これらは「高級だから売れている」というより、「簡単には手に入らない」という構造が需要を生んでいます。 欲しい人は多いのに、供給は限られている。すると人は「次に出会ったら買おう」「今逃したら一生手に入らない」と考えるようになります。
面白いことに、人は手に入りやすいものには慎重になりますが、手に入りにくいものには「即決」します。スーパーで10円の差を比較する人が、入手困難な商品には何百万円を迷わず投じる。これは理屈ではなく、人間の本能に近い行動です。
市場を動かしているのは「未来への感情」
ガソリンスタンドの長い列を見ながら、私は思いました。 世の中の多くの商売は、価格で動いているように見えて、実はそうではないのだと。
人を動かしているのは、価格という数字ではなく、未来への不安や期待です。
- ガソリンの列: 「失うこと」への不安(リスク回避)
- 高級バッグの即決: 「手に入らないこと」への焦燥(希少性)
世界情勢が揺れ、先の見えない不安が広がるほど、この「心理の力」は強まります。市場を動かしているのは、いつだって私たち人間の心。
戦争や紛争という大きな渦の中で、私たちは無意識に「今のうちに」と何かを掴もうとしています。
ガソリンの列は、単なる渋滞ではありません。それは、不安定な世界を生き抜こうとする、剥き出しの人間心理の縮図なのではないでしょうか。
