わたしは、流行色を無理に取り入れる必要はないと思っています。 時代の流れを知る上で、「知っておくだけ」で十分かなと考えています。
だいたい、新車の色を観察していると、その時代の空気がなんとなく見えてきます。 流行色というのは、自然に生まれるというより、かなり意図的に作り込まれたものです。 だから私は、追いかけるよりも、少し引いた位置から「しくみ」として眺めるくらいで良いかなと。
その参考に、よく見るのが、YouTubeで取り上げられている新車の情報です。 何年も前から「次の時代を見据えて構想されていた」新車の情報の方が、情報キャッチが早いですし、メーカーの意図がずっとはっきり出ています。
白、黒、シルバーが並ぶ時代。 くすみ系の中間色が増える時代。 アースカラーが主役になる時代。
そこには、白、黒なら「失敗したくない」。シルバーなら「目立ちすぎたくない」。中間色なら「安心したい」といった、人々の集団心理もかなり素直に表れていると思います。
先日、顧客さんから、ご紹介させてもらっていたディーラーさんで「ランクル250の抽選が当たりました」と御礼のご連絡を頂きました。「良かったですね」と話していたのですが、話題は、やはり「色選び」でした。 車もスーツも同じで、皆さん最後はここで悩みます。
私自身も気になって調べているうちに、YouTubeで「ネオクラシック」と呼ばれる80〜90年代の車の映像を見ていました。 90年代といえば、ちょうど私の学生時代です。 当時はなんとなく眺めていただけでしたが、今あらためて見ると、当時は不人気だったカラーが妙に新鮮で、格好良く見えます。
青、深緑、ボルドー。
どこかレトロな雰囲気があって、今の街並みにも不思議と馴染む。 かつては流行から外れていた色が、時間を経て、また新たな魅力として立ち上がってくる。 色にも、きちんと「時間」が流れているのだなと、あらためて感じました。
だからこそ、目先の流行は知っているだけでいい。 無理に追わなくても、その仕組みを理解できていれば十分かなと。 むしろ流行を追いすぎると、自分の立ち位置や、商売の軸そのものが少しずつ曖昧になっていく気がします。
ピッコロ京都が提案する「誂え(あつらえ)」の仕事は、「今(流行・即売・映え)」を消費するものではないです。 「これからの時間」にお客様と寄り添い、何年、何十年と使い続けてもらう「長く使える装い」を仕立てる仕事です。
新車のカタログを眺め、昔の車の色に目を留め、時代の流れを少し引いた位置から見る。 皆様に「装いの基準(スタンダード)」を提案する身としては、このくらいの距離感がちょうどええなと思っています。
YouTubeで昔のカーグラフィック等を見ているだけで、夢のない話に聞こえるかもしれませんが(笑)。
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