ゼニア純正裏地の新ラインナップ「FF01」が入荷しました

本記事は、Piccolo Kyotoとお取引のあるテーラー様及び専門店様向けに情報を共有する目的で掲載しております。

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オーダースーツの世界でも、避けては通れない「変化」がゼニアの足元でも起きています。 今回新しく登場した純正裏地「FF01」。単価も上がりまして、正直に申し上げまして、スペック面では前回のFF00シリーズから明確に後退していると感じます。

厳しいスペックの変化を直視する

まずは、事実に目を向けなければなりません。

  • 生地幅の縮小:150cm → 142cm 8cmもの幅減少は、裁断の効率に影響を与えます。
  • キュプラ混率の低下:50% → 40% 吸放湿性に優れた高級繊維キュプラが10%減り、代わりにビスコースが増えています。

これは、原材料高騰などの影響を受けた実質的なスペックダウンと言わざるを得ません。しかし、私たちに提示された選択肢は、この「新しい現実」とどう向き合うかです。

FF01に見出す「色」の価値

スペックが下がった一方で、唯一進化したと言えるのが「カラーバリエーション」です。

スペックの低下を、イタリアらしい鮮やかな色彩設計で補おうとしている意図が感じられます。

カラー番号印象・キャラクター「最高の組み合わせ」
202クラシックブラック迷いのない純黒。王道の風格を漂わせます。黒の光沢が裏地にあるだけで、背筋が伸びます。
203/205ネイビー・ブルー系ゼニアの代名詞。誠実さと知性を感じさせる深み。ビジネススーツ全般どんな場面でも間違いのない「鉄板」。同系色でまとめるのが最高にクールです。
206スカイブルー夏の空を思わせる、清涼感あふれる色彩。サマーツイードのジャケパン・ライトグレーやチェック柄に合わせて、見た目からも涼しさを。
209シャンパンゴールド。圧倒的な気品。脱いだ瞬間の華やかさは随一。ベージュ・ライトグレー淡い色の表地と合わせることで、高級リゾートのような余裕を演出。
211ブロンズブラウン。落ち着いた大人の渋み。光の加減で表情が変わります。ブラウン・カーキ系アースカラーのスーツに。イタリア的な「アズーロ・エ・マローネ」のスパイスにも。
212ボルドー。秘めた情熱を感じさせる、ワインのような深紅。ネイビースーツ(裏の差し色)紺の裏に赤を忍ばせるのが大人の遊び心。一気に「オーダーらしさ」が際立ちます。

前回までのシリーズは、重厚でクラシックなトーンが中心でした。今回の新シリーズ「200番台(FF01)」を手に取って感じるのは、イタリアらしい「透明感」と「色彩の鮮やかさ」です。

  • ビジネスを彩るブルー系: 前回の沈み込むようなネイビーに比べ、より発色が良く、ジャケットを脱いだ瞬間にパッと目を引く現代的なトーンに進化しました。
  • 大人の色気、ボルドー&ブロンズ: 深みはありつつも、ビスコース特有の美しい光沢が際立ち、動くたびに裏地が贅沢に波打ちます。

この裏地の提案は?

この「FF01」は、キュプラ40%ビスコース60%という、まさに日本の夏にこそ真価を発揮する黄金比で作られています。なので、暑がりの人にもおすすめしてもらえるかなと思います。

  1. ムレを逃がす「キュプラ」の呼吸 汗を素早く吸い、外へ逃がすキュプラは、背中のジメジメを劇的に軽減します。
  2. 静電気を抑える「キュプラ」 薄手の夏生地でもまとわりつきにくく、常にスマートなシルエットをキープできます。
  3. ひんやり冷たい「接触冷感」 ビスコースは熱を奪いやすい性質があるため、袖を通した瞬間の「ひんやり感」が格別。猛暑の中での外回りや移動をサポートしてくれます。

静電気とシルエットへの影響 前回のFF00に比べ、制電性に優れたキュプラが10%減少したことは、見過ごせない点です。 静電気を逃がす力が弱まると、薄手の夏生地が裏地に吸い付き、せっかくのシルエットを崩す原因になります。これまで以上に、着用時のさばきや、生地のまとわりつきに敏感な方へは、この変化を理解した上で提案する必要があると思います。

プロが教える「虫食い」と「メンテナンス」

「良い素材は虫に食われやすいのでは?」と心配される方も多いですが、ご安心ください。 キュプラもビスコースも、元を辿れば綿や木材から生まれた植物由来の繊維です。ウールのように虫が好んで食べる「タンパク質」ではないため、理論上、裏地から虫食いが発生することはありません。

ただし、末永く美しく保つためには少しだけコツが必要です。

キュプラが減ったということは、以前よりも「ムレ」や「静電気」に対してデリケートになったことを意味します。だからこそ、これまで以上に丁寧なケアが重要になります。

  • 一晩の影干しは必須 ビスコース比率が高まった分、湿気を含んだままにするとカビや型崩れのリスクが増します。脱いだらすぐにクローゼットへ入れず、必ず風を通してください。
  • 虫食いへの耐性は維持 植物由来の再生繊維であることは変わりません。素材そのものが虫に食われる心配はありませんが、付着した汚れは放置せず、こまめなブラッシングを心がけてください。

最後に

「見えない部分にこそ、最高級を忍ばせる」。 それがゼニアを選ぶ紳士の嗜みです。この夏、見た目も着心地も最高な一着を、ぜひ新しい裏地と共に仕立ててみませんか?

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